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演奏を作るもの [演奏会]

さて、第21回メトロポリタン・マンドリン・オーケストラのセルフレビュー2つ目。ソリストとしての感想を書いておきます。

本格的な独奏曲を演奏するのは、ベルク協奏曲、シベリウス協奏曲に続き、これで3回目です(あ、むかーし、別のオケでハンガリアの黄昏は弾いたか。。。笑)。で、いずれも、自らやりたいと話したことはないはずで(笑)、ししょーや指揮者から冗談半分、「次回は〇〇やるよー、弾けるよね?」「ほんとにやるんですか? しょうがないなあ、、、」ってノリで引き受けてしまったものばかり(=拒否権はない)。

毎回、安易に引き受けたことを後悔するのですが、今年は別の意味で非常に辛い時間が過ぎました。かなり早い譜出しだったので4月からフルに弾いていたのですが、この練習でね、メンバーの反応がないんですよ。。。




それまでの2曲は、なんだかんだ言って、練習中に曲が終わった瞬間、メンバーがいろいろな反応をしてくれていたんです。驚きや賞賛、あるいは失敗したときの苦笑など、良い意味でも叱咤激励であっても、それを感じていました。ところが、この曲はほんとに最後の最後まで反応がなかった。実際に音があまり聞こえていなかったのかもしれませんね。良いとも悪いとも言われなかったので、さすがにさとーの演奏も飽きられたかな?とか、マンドリンでやる意味を感じないとの無言のプレッシャーともとってしまったりと、ずいぶんと悩みました。このくらいの表現ぢゃ、メンバーや編曲者、指揮者も納得してくれないのかなあと。。。


今となっては、ツィガーヌはメンバーにとってもつかみ所のない「うなぎ」だったのかもしれないとも思います。あるいはさとーはこれくらい弾けて当たり前との評価であったのかもしれませんが、まあ、プレッシャーは前回以上にあるわけでした。初演者である望月君の素晴らしい演奏もあったわけですしね。

そんな中で、大きな決断をしました。前回シベコンの反省でもある暗譜で弾くこと。この年齢で、コンマス専業というこれまでのキャリアから考えて、暗譜で通すことは、これはこれは大きなハードルなのです。音楽家として曲を止めてしまうことほど、怖いことはありませんよ。それまでのすべての努力を無にしてしまいますからね。暗譜で弾いた経験は、学生のころ、ソロコン予選に出たときくらいかな?(あの時はE線2本を切ってしまって予選落ちでした。。。笑)

そうでもしないと、自分の満足できる演奏は出来ないと思ったのです。この決断が、本番3週間前。2週間前にはものすごく後悔して、やっぱり譜面を見ようと何度も低きに流れていました。ステマネには迷惑をかけましたが、セッティング表には最後まで譜面台を置くことにしてましたよ。

でも、その決断が結果的には譜読みの深さや曲の全体感を表現するのに非常に効果があったようです。本番2週間くらい前からは、頭の中はツィガーヌかツィガーヌでないかと2分されてましたし、他の曲は一切頭で鳴らせないような状態でした。

それなりの演奏をするには、少なくとも自分の技術レベルでは、これくらい追い込まないといけないんだなあとあらためて気付くことができたのが今回の収穫かな。おかげさまで、少なくとも冒頭のカデンツァについては、指揮者や編曲者をはじめとしてメンバーの皆さんからは高い評価をいただきました。やっぱり練習では上手く弾けてなかったのね。。。笑

自分自身の課題としては、これがまだまだ客席の評価であるわけではないことですかね。普段私に接している人からすれば、驚異的な演奏だったかもしれませんが、初めて演奏を聴くお客さんにしてみれば、マンドリンとはこんなものかとか、音量小さいなとか、迫力不足が否めないとの声もありました。それはきっと事実なんでしょうね。

今回、カデンツァに象徴されるように、自分自身の中であまりマンドリンを意識せずに、自由な発想で音楽を奏でることができたと思います。マンドリンという楽器の制約からいかに自由な音楽を作り出すかという自分のテーマは今後も変わりはないと思いますが、一定レベルで実現できるようになったのかな。それくらいの技術は身につけたのかなとの思いもあります。

そうした上で、さらなるパフォーマンスができるよう、精進をしていきたいです。

今回、苦労はしたのですが、本番の演奏がああいう形でそれなりに出来たのには、いくつかの理由があったと思います。その一つ。冒頭、1小節目の連打。初めて出すあの会場での響きを聴いて、確信を持って直後のブレイク時間を長くとったこと。本来であれば3拍目までギリギリ伸ばして、短い8分休符を置いた上で素早い回転を行うのですが(フレーズをちゃんとつなげる)、この小節だけは拍感を打ち出さずにロングトーンのトレモロを短めにして、音を切らない形で半分フェルマータにして時間を止めてみたんです。客席からすると気付くか気付かないくらいの時間ですが、演奏する側からしてみると非常に長い時間です。このときの会場の響きや会場の空気を感じて、非常に挑戦的な演奏ができると直感したんですよね。その後は一気にテンポ通りの演奏に。

#カデンツァ風にという譜面の指示なんだから、1小節目くらいは崩して弾いてもいいでしょ?(笑) あとは譜割り通り弾いたつもりなので。。。

そんな技術的な「かけひき」ができた瞬間でした。何がきっかけになるかはわからないのですが、自分自身の全神経を集中させて、周りと対話して、そこに初めて自分自身も聴いたことのない音楽が生まれる、そんな経験ができたことを素直に喜びたいと思います。そしてますます自分自身は透明で真っ白いキャンバスになって、多くの人の想いや多くの響きの力を得て、一つの表現ができればと思います。

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